ハーバリウムの製作になくてはならないオイル。
お店で見てみると、たくさん種類があって、何を使ったらよいか基準がわからない・・・!
そんな方、多いのではないでしょうか。
ハーバリウム専用のオイルは、選ぶものによって安全基準や製作のしやすさ・扱いの方法が違ってきます。
ぜひ正しい知識を身につけて、自分に合ったオイルを見つけましょう!
Contents
ハーバリウムオイルの種類
ハーバリウム専用と呼ばれるオイルには、主にシリコンオイルと流動パラフィンの2種類があり、高度に精製された無色透明・無臭の不純物を含まないものです。
流動パラフィンの特徴
ベビーオイルや保湿剤などにも使われる、手軽で扱いやすいハーバリウムの定番オイル。価格は比較的安価なものが多いです。
光をたくさん閉じ込める性質があるので美しく仕上がります。温度が氷点下になると白く曇るので寒冷地では室温に注意。また引火点が低く危険物に該当するものもあるので注意が必要です。
シリコンオイルの特徴
化粧品やツヤ出しなどにも使われるシリコンオイル。
価格は流動パラフィンよりも高価だが、温度変化によって白く曇ることや、酸化劣化がありません。
引火点も300度以上と高く、非危険物に区分され、不特定多数の人に販売する場合などにオススメ。
オイル選びのチェックポイント
オイルの引火点と危険物・非危険物
ハーバリウムには引火点というものがあります。これは気化したものに火を近づけることで引火する値で、自然発火点ではありません。
引火点が200℃から250℃のものは、消防法の危険物にあたるため、1200ℓ以上大量貯蔵するときは届出が必要です。また大人数が始まる場所では危険物持ち込み申請も必要です。
引火点が300℃以上で非危険物となりますので届出なく取り扱えます。
オイルの粘度について
数値が大きい方が粘り気が強く、花材の固定がしやすくなります。
瓶の中の花材を動かしたくない場合は粘度の高いものを、花材が揺れるのを楽しみたい場合は、粘度の低いものを使いましょう。
#70はサラサラしたオイルなので、瓶にオイルを注ぎ入れるスピードもスムーズです。ただ花材が動きやすいので製作時に少しコツが必要です。
また#350のオイルは、ドロっと粘り気のあるオイルです。数値が高くなるほど、瓶に注ぎ入れるときには時間を有します。
花材があまり動かないので、イメージした作品を作りやすく、配送時に花材が動いてしまい形が崩れてしまう可能性も軽減できます。
<粘度の例>
#70:サラダ油程度
#100:オリーブオイル程度
#350・380:メイプルシロップ程度
#1000:ヒマシ油程度
オイルの曇点
オイルが白く曇り始める温度を曇点といいます。
流動パラフィンは0℃前後で白く曇る可能性があります。
こちらは常温になると透明に戻りますが、寒い地域にお住まいの方は注意が必要です。
またシリコンオイルは流動点が−40℃と低いため通常の環境で曇ることはありません。
オイルの比重
水を1.0としたときの重さのことです。
オイルの比重の違いは花材の浮き沈みに影響し、
数値が小さいほうが花材が沈みやすく逆に数値が大きいと花材が浮きやすくなります。
オイルの屈折率
ハーバリウムがきれいに見える秘密は、光の屈折率にあります。
数値が高いと、瓶の中の花材がキラキラと一際明るく発色しているようにみえます。
また、ハーバリウムオイルの屈折率はガラスの屈折率と近く(ガラスの屈折率1.51)、ガラス瓶と瓶の中の花材が一体化しているような幻想的な美しさがあります。(光の全反射という現象です)
オイルの取り扱いについて
オイルを混ぜない
流動パラフィンとシリコンオイルを混ぜてしまうと白濁してしまい、元に戻らなくなってしまいます。
2種類のオイルを使い分けるときは、使用するオイルの種類ごとに道具を用意することをおすすめします。例えば粘度の違う同じオイル同士を混ぜることは、オイルとしては問題ありませんが、引火点が変動し品質の保証が出来なくなってしまうので注意が必要です。
オイルのお掃除
流動パラフィンは家庭用の中性洗剤で洗浄が可能です。シリコンオイルは専用洗剤がおすすめです。
またボトルを再利用したい場合は、ペットボトル用のスポンジや試験管用のスポンジが便利ですよ。
オイルの捨て方
流動パラフィン・シリコンオイルともに、排水溝にそのまま流すのはNGです。
廃棄するときはキッチンペーパーや新聞紙に染み込ませて可燃ゴミとして処分してください。
凝固剤で固めて破棄することも可能ですが、シリコンオイルは凝固しずらいので注意が必要です。
オイルの量
オイルは温度により容積が増減します。オイルをボトルに注ぐときは、満杯まで注ぎすぎないように注意が必要です。
迷ったらこちら!
ハーバリウム専用オイルの特徴や注意事項に述べてきましたが、最後に表にまとめてみました。
ご自身で自宅で楽しむためのハーバリウムオイルなら安価な流動パラフィンを。
また、危険物・曇点の注意事項を直接お客様にお話できるような対面販売での販売用に使用するオイルは、流動パラフィンの方が、安価なこともありおすすめです。
そして、ネット販売・委託販売・ワークショップ等で不特定多数の方にハーバリウムを販売する場合、”製品安全シート(SDS)”でオイルの安全を証明できるシリコンオイルが良いかなぁと思います。
作品の配送時は配送業者から、またハンドメイド作品のイベントや展示会で、主催者側がハーバリウムオイルに関するSDSの提出を求める場合もあるようですよ。
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ちなみにnecoto.hanato.では、ネットや店頭でのハーバリウムの販売、また大型ワークショップの開催もありますので、引火点が高く、非危険物であるシリコンオイルを採用しています。
高価ではありますが、曇点も低いので、どんな地域の方でもハーバリウムをお楽しみいただけるもの良いなぁと思っています。
オイルの粘度によっても作品の作りやすさは随分と変わってくると思います。
まずは少量のオイルから購入して、ぜひご自身の使いやすいオイルを見つけてみてくださいね。